海外の医学コースでは、最初の2年間は英語を取り入れた医系教養学の履修が行われています。このプレ・メディカルコースでの一般教科は履修範囲が広く、 英語、ドイツ語はもとより、数学、物理、生物、化学、体育、歴史(医学史)、哲学、倫理などの多様な選択科目がリストアップされています。 これらの科目を英語で学び、毎回の学期テストに合格して一定の成績で進級することが重要になります。2年生のカリキュラムでは、医学本科に進学する医師適正試験 MCAT(MT、UMAT と呼されるテスト)が開催されます。この試験に合格して医学コースに進むのが一般的な進路といえます。 医学系のコースでは、医学を英語による言語手段で学習することから、現地の大学に入学するまでに広範囲な語彙力と長文読解力、 ライテイング力とプレゼンテーションに対応する英会話力を養成する必要があります。
こういう状況から、事前の大学付属英語コースや、医療系ファンデーションコースに一定期間参加することが通常の進路といえます。


●東ヨーロッパの医学校へ留学

ブルガリア、チェコスロバキア、ハンガリーなど東欧の大学医学コースでは外国人の受け入れに積極的です。 これらの国で医師国家試験に合格すると、EUやカナダ、アメリカの医師免許の取得が可能になります。 近年、日本の医師国家試験の受験資格要件にも適応していることが各国医学大学事務局より発表されていますので詳しくは厚生労働省のサイトで規定状況をご確認下さい。。 各国の医学コースでは、何れも最初の2年間は英語を主体とした医系教養学を学びます。学期毎のテストに合格を重ねることで進級できます。 2年次に各国の定める医学本科進学試験が開催され、この試験合格の後に本科コースに進んで本格的な医学を学んで各国の医師国家試験を目指します。

海外医学大学進学のメリット

医者

外国の医学大学を卒業すると以下のメリットがあります。
1.英語と現地語で医学を学べる
2.留学先の国の医師免許が取れる
3.学費が日本より経済的な国が多い
4. 欧州レジデンシー取得可能な場合が有る

日本の医師になるには、海外で医師資格の場合と制度の違いから プロセスが複雑です。日本の医師を目指す方は、当初より国内の大學医学部進学が合理的といえます。

外国の医科大学卒業者、又は医師免許を取得者が日本で医師国家試験を受験するためには、 医師法の規定に基づき厚生労働大臣の認定が必要とされます。受験資格認定の手続きと審査方法は以下の通りです。

3.書類審査の認定基準

審査対象者からの申請書類により、審査対象者が日本の医学校を卒業した者と同等以上であるか否かについて、以下の認定基準に基づき審査を行う。

 医師国家試験受験資格認定医師国家試験予備試験受験資格認定
外国医学校の修業年数医学校の入学資格高等学校卒業以上(修業年数12年以上)
医学校の教育年限及び履修時間
(大学院の修士課程、博士課程等は 算入しない)
6年以上(進学課程;2年以上、専門課程;4年以上)の一貫した専門教育(4500時間以上)を受けていること。
ただし、5年であっても、5500時間以上の一貫した専門教育を受けている場合には、基準を満たすものとする。
5年以上(専門課程;4年以上) であり、専門科目の履修時間が3500時間以上、かつ一貫した専門教育を受けていること。
医学校卒業までの修業年限18年以上
(5年制の場合は、17年でも可)
17年以上
医学校卒業からの年数10年以内(但し、医学教育又は医業に従事している期間は除く)
教育環境 大学附属病院の状況、教員数等が日本の大学とほぼ等しいと認められること 大学附属病院の状況、教員数等が日本の大学より劣っているものでないこと
当該国の政府の判断WHOのWorld Directory of Medical Schoolsに原則報告されていること
医学校卒業後、当該国の医師免許取得の有無取得していること取得していなくてもよい
日本語能力日本の中学校及び高等学校を卒業していない者については、日本語能力試験N1(平成21年12月までの認定区分である日本語能力試験1級を含む。)の認定を受けていること

詳しくは以下「医師国家試験制度」参照下さい

医師国家試験制度

海外医学校・大学医学部ご紹介

ブルガリア国旗
プレーベン医学大学

プレーベン医学大学
Medical University of Pleven
プレーベン市/ブルガリア

ブルガリアの医学コースは6年制です。最初の2年間がプレメディカルに相当する教養課程で、3年・4年生で基礎医学、5年生で臨床医学を学び、 最後の1年はインターンシップを含んだ医学履修になります。当初2年間は英語プログラムもあり、英語と現地語で学びます。 3年生以上の受講学年では医療の研修もあるため、 最初の2年間のあいだにブルガリア語をマスターします。卒業資格の合格が医師免許となります。ブルガリアは2007年よりEU加盟国となったため、

出願条件として、
①TOEFL iBT 80点以上、またはIELTS 6.0以上
②高校の生物・化学の成績が4.0以上 (75%以上)
③推薦状④日本語と英語での面接
があります。詳細はお尋ね下さい。


チエコスロバキア国旗
チャールズ国立大学医学コース

チャールズ国立大学医学コース
Charles University
プラハ市/チエコスロバンキア

チェコスロバキアの大学医学コースは全てが国立で現在7大学あります。この国の大学医学部レベルはワシントン・ポスト誌の医療大学ランクで ヨーロッパ内で上位の評価を得ています。医学部は6年制で、最初の2年間プレメディカルに相当する一般教養、3年・4年生で医学ファンダメンタル スタディ、5年・6年制で臨床医学を学びます。英語で医学を学ぶのですが、臨床や病院実習ではチェコ語が必要ですので最初の2年間で この国の言語をマスターします。卒業資格を取得して、医師国家試験を受験して合格すればこの国の医師免許を取得できます。 チェコスロバキアは2004年に正式にEU加盟国となったため、取得の医師免許はヨーロッパ共同体諸国で通用する予定であることが紹介されています。

出願条件として、
①TOEFL ibt 90点/IELTS6.5Fullset以上
②英語・生物・物理・化学の試験GCSEを使用
③面接(英語)
④英文のエッセー
があります。詳細はお尋ね下さい。


ハンガリー国旗
ゼゲド大学医学コース

ゼゲド大学医学コース
Segedo University
ゼゲド市/ハンガリー

 セゲド大学は、ハンガリーの主都ブダペストから200キロ南にある中都市セゲトにあります。この大学は学生数3万人の国立大学で、 医学部には1500人の生徒が学んでいます。大学付属病院は1350床です。医学コースは6年制で、最初の2年間で基礎医学を学びます。 この期間に看護研修があり単位履修が重要です。3年・4年生には内科・外科研修があり、5年生で臨床医学を学び、 6年生でローテーションとして現場でインターンに従事します。学生は1年間の予備コースからスタートし、英語とハンガリー語を学びます。 当初の英語研修はブダペストのセンメルワイス大学で開催されています。 近年この国の医学コース卒業者が日本の医師国家試験を受験して合格したことが全日本医連より公表されました。

出願条件として、
①TOEFL ibt 90点/IELTS6.5以上
②英語・生物・物理・化学の入学試験合格
③面接(英語)
④英文のエッセー
があります。詳細はお尋ね下さい。


中国国旗
南開大学
南開大学医学コース

Nankai University
天津市/中国

中国の重点大学のひとつ天津大学と、医療ユニオン病院、INTO Chinaによる医学コースです。授業は全てが英語で行われています。 医学コースは6年制で、最初の2年間プレメディカルに相当する一般教養、3年・4年で医系科目履修、5年・6年生で臨床医学 を学ぶ MBBSコースです。英語で医学を学びますが、臨床や病院実習では中国語が必要になる場合があるので最初の2年間で中国語を履修します。 卒業資格を取得して医師国家試験を受験して合格すれば医師免許の取得が可能です。 現在、パキスタン、サウジアラビア、南アフリカ、インドの医師国家試験受験制度にも認定されたプログラムであると発表されています。

出願条件として、
①TOEFL IBT80点/IELTS6.0
②英語・生物・物理・化学が平均4以上
③面接(英語)
④英文のエッセー
があります。詳細はお尋ね下さい。



海外医学コースによる進路

代替えテキスト

記載のチャートのように、海外の医学校コースに留学した場合は、最初の2年間は英語を中心とした医系教養学の履修が行われています。 同時に、留学先現地国の言語を学習する必要があります。医学科の一般教科は履修内容が、英語、ドイツ語、数学、物理、生物、化学、体育、 歴史(医学史)、哲学、倫理などの科目が示されています。英語と現地国の言語で医学を学ぶことには大きなハンディがあることは否めず、 相応の学習努力を必要とします。その後、医学本科進学適正試験を受けて合格し上位の医学コースへ進みます。 どの国でも、医師の資格の取得は簡単ではないことから、これから医学校留学を目指す方は現地に出発する前に、 理数系教科の準備学習を徹底することを推奨します。

英語力も専門的な学習の基礎となることから、英検準1級~1級レベルまでの実力を身につけて、その上でIELTSやTOEFLの対策を進めるのが良いでしょう。
こういった事情から、英語の事前コースや医療系ファンデーションコースに一定期間参加することも視野に入れる必要があります。

前述のように、海外の医学部を卒業しても、直ちに日本の医師国家試験を受験できる、あるいはその試験に合格できる訳ではありません。 医師国家予備試験受験からのスタートになる場合も少なくありません。これは、日本の厚生労働省の医師法に応じた審査によります。 日本で医師になることを目的とするは、最初から進路として日本の大学医学部への進学を検討して下さい。