アメリカには4年制、2年制、芸術技工系大学を含めると約3500校以上の教育機関が登録されています。学期は2学期制と3学期制が取り入れられ、
学期ごとに学科コースの履修が終了します。その理由から学期毎の入学ができる訳です。大学間の単位制度が確立されているので転校や編入が容易なことも特徴です。
「入学した大学を卒業する」という日本の大学制度の下では考えにくいことですが、例えば「A大学に入学してB大学に移り、さらにC大学に転学して卒業」ということが可能な単位互換制度が確率されています。
アメリカの大学は、55%が私立、45%が公立大学です。学生数の比率は私立25%、公立75%と発表されています。私立大学の学生数比率が少ないのは、
例えばアイビーリーグの大学などでは少人数制の教育を重視しているからです。公立大学では、その州や地域の産業振興の役割を担っているために多人数制の授業を行っています。
何れも大学間の競争は激しく、少しでも高い評価を社会から得るために、教授陣の充実、施設の拡張、優秀な生徒の獲得に努めています。
私立大学の学費は公立大学より高いのが通常です。大学によりますが、私立大学の学費は州立大学の倍以上のケースがあります。海外からの留学生には、
私立大学も公立大学も割高な学費を設定しているために、アメリカの4年制大学留学の費用は自国民の学生より高額になるのが現状です。
大学に対するアメリカ人の一般通念は、有名大学や全米ランク上位の大学を卒業しても絶対に有利な就職が約束されないので、
大学の優劣と共に「良い成績で大学を卒業して社会で成果を示すこと」が重視されます。そういう実力第一主義から、大学では多彩な専門科目を職業直結型で、
優れた教授陣と近代的な設備によるフレキシブルな教育を実践しているのが特徴といえます。
アメリカの大学
高校課程の修了が大学入学の基本的な条件であることは、日本もアメリカも同じです。しかし、高校卒業(12年生)までが義務教育のアメリカでは、
高校教育を、大学受験を前提とした教育としては進めません。
4年制大学に進学を希望する高校生は、SAT、またはACTという共通大学進学試験を受験して、
その結果で進学先を決めています。大学進学希望者にはこの試験の成績で進学できる大学が用意されています。
実際にこの試験を受けて大学に進学する生徒は全体の50%以下です。残りの50%は2年制のコミュニテイ・カレッジに進学したり就職して社会に出ます。
アメリカの大学は、そのほとんどが大学院大学として修士課程、博士課程を持っています。
大学は、その州や地域の学問研究の場としての認識があるので、高度な知識習得を目指す学生しか4年制総合大学に進学しません。
従って将来、学者、研究者、公務員、教師、医師、法律家などを目指す学生が学んでいます。
大学学士課程は、一般教科を伴うために日本と同じ4年制で規定された履修単位があります。
この国の発展の歴史から、東部には歴史のある私立大学が多く、西海岸には州立の規模の大きい大学があるのが特徴です。
大学はレベルが高く、学生間の競争も激しいために全員が卒業できる訳ではありません。
日米教育事情の違い
■ 私立大学と公立大学の違いについてアメリカでは55%が私立、45%が公立大学です。しかし、学生数の比率は私立25%、公立75%と発表されています。
これは、私立の大学1校あたりの学生数が少なく、少人数制の教育を行なっていることになります。例えば、
アイビーリーグ等有名私立大学は少人数教育で高度なエリート養成教育を、州立の大学は地域産業研究基地としての役割を持っているといえます。
大学間の競争は激しく、少しでも高い評価を得るために教授陣の充実、施設の充実、優秀な生徒の募集に努めているのが事実です。
自国の生徒に対しては、私立大学の学費は公立大学より高く、大学によっては倍程度となる場合があります。
しかし、海外からの留学生には、公立大学が割高な学費を設定しているために、アメリカの4年制大学留学での学費については、
公立も私立大学もほとんど変わらないのが現状です。
アメリカは「実務経歴社会」です。大学に対するアメリカ人の一般通念では、有名大学や全米的ランキング上位の大学を卒業しても 絶対に有利な就職が保証されるとは限りません。もちろん学歴はその人の「経歴」のひとつとしてとらえられています。 従って大学の優劣よりも「いかに良い成績で上位大学を卒業して、その知識を生かして成果をだせるのか」が最も重視されます。 アメリカ社会は成果のみを評価する能力主義社会であり、競争原理社会です。有名大学の卒業という事実は大切ですが、 それだけがアメリカ社会においての個人に対する評価の絶対条件ではないようです。
バーロンズによるアメリカ大学ランキング
アメリカの大学をランク付けするのは難しいことです。大学のランクは各大学の設備、教授陣の数と質、論文の発表数や図書蔵書数と学生入学の
SATレベル等を含めて発表されています。この点では偏差値による日本の大学評価と大きく異なっています。
2024年度のランキングによるデーターを示すと、
1.Most Competitive 33校
ハーバード、スタンフォード、MlT、陸海空士官大学等
2.Highly Competitive 53校
大多数は私立。州立としてはUCバークリー校、
ウィリアム・メリー大学等。>
3.Very Competitive 96校
多くの私立大と、州立ではミシガン大学、UCLA、
ニューヨーク大学等。
4. Competitive 約800校
一部の私立大学と州立大学が含まれる。
※上記1~4のレベルの大学に入学するにはアメリカの高校で成績が通常上位30%に属していないと難しいとされています。
5.Less Competitive 約500校
大多数の州立大学、私立大学。
6.Non Competitive 約100校
コミュニティ・カレッジ/2年制大学
コミュニティー・カレッジは4年制大学とは異なり、一般教養教育と社会産業教育の2つの目的を持つ短期大学で全米に1000校以上開学されています。 一般教養課程では、2年間で4年制大学の3年生へ編入するためのコースとして、カリキュラムは4年制大学の 1、2学年と同様の一般教科68単位を中心としています。卒業時の成績で自分の進む大学を決定でき、学位として準学士号(AA)の称号が与えらます。 また社会産業課程では、大学卒業後すぐに社会に出て就職する学生のために、多くの技能的教育をも行っている点が特徴です。 コミュニティー・カレッジは、アメリカの生涯教育のー端をも担っているために4年制大学に比べて年令層が広いといえます。 学費は大変に安いのが魅力です。日本の高校卒業者で、専攻が渡航時にはっきりしてない留学先としては選択肢のしとつです。
アメリカ大学の授業と学期制
アメリカの大学学期は、新学期が9月から始まります。州により前期後期の2学期制=セメスター制と、3学期制=クオーター、 4学期制=トリミスターがあります。 大学は単位制でカリキュラムが組まれ、通常年間32~36単位の履修規則のために、セミスター制では1学期で16単位が、 クオーター制では11単位が最低の基準単位とされています。4年制文系学部では136最低単位で卒業認定を受けられるようになっています。 学生は各学期毎に入学ができますが、入学オリエンテーションは秋学期入学しか開催されない場合が多いようです。 大学の授業のスピードが早く、クイズと呼ばれる小テストが多く、タームテストもあるために単位をコンスタントに獲得することは 留学生に困難な場合があります。単位補足のために6月~8月のサマースクールに登録する学生もいます。
アメリカ大学留学のポイント
まず最初に、英語力を含む学科の総合的な学力が重視されます。アメリカで学びたいという強い本人の意志と、 留学のための経済的な背景が必要です。学費と寮費を含めた年間の費用予算は日本の大学よりは高額です。 アメリカの大学で現地の学生と共に大学生活を送るためには強い意志と強靱な体が求められます。 留学に際して、はっきりした学問の目標と極めたい専攻分野がある人には、レベルの高い4年制大学への留学をお勧めします。 自分の目的と能力に応じた大学で勉学に励んで下さい。