カナダ大学

カナダは4年制、3年制、工学技術系大学を含めて200大学が登録されています。学期は主に2学期制と3学期制が取り入れられ、 学期毎の単位履修が規定されているので、学期開始時に定員に余裕が有れば入学することができる大学があります。しかし、 州毎に大学での履修教科編成が異なるので、州をまたいでの転校や編入が難しい場合があります。 特にケベック州はフランス教育圏なので、他州とは互換性が少ない学課があります。

カナダ大学教育システム

カナダ大学教育

カナダでは、総合大学は ユニバーシティと称され、これに対して小規模な単科大学はユニバーシティ・カレッジ(又はカレッジ)と呼ばれています。 これらの大学は、学位取得を目的とする大学で学問を総合的、体系的に学ぶことができます。この他に、 地域の高等教育機関としてのコミュニティ・カレッジがあります。コミュニティ・カレッジは、主に資格号を取得するための学課教育や職業専門教育、 4年制大学への編入教育を行っています。教育制度は、州制(州により教育法が異なる)が取られているために、州毎に教育システム違います。 例えば、大学学士課程では、3年制と4年制の大学があり、規定されている学科履修単位も相当に違っています。特に、 フランスの制度と文化を引き継ぐケベック州の大学では、フランスのバカロレア制度に相当する大学進学制度が取り入れられています。 しかし、一様にどの州の大学も、公立、私立を問わずレベルが高く、カナダ人学生でも高校卒業者の誰でもが希望の大学に進学できる訳ではありません。 大学に入学しても進級の規定単位が厳格なために、全員がストレートに卒業できるという状況ではありません。

カナダの大学

準学士号以上の学位を授与する大学の数は、全州、及び地域で 110校程度しかありません。大学ごとの規模についていえば、比較的大きなところが多く、 学生数は1万人以上を有して施設が充実した大学院大学が各州の都市部に開学されています。例えば、ブリティッシュ・コロンビア州都のバンクーバー市の誇る UBC(ブリティッシュ・コロンビア州立大学)は、当市の西側に海に面した広大なキャンパスを誇り、2万人の学生が学んでいます。 カナダの大学の詳しい情報については、マクラレン教育情報社発行のカナダ大学ガイドや、ピーターソンズ社発行のカナダ大学案内などでも詳しく紹介されています。

カナダの大学進学の状況

以前のカナダの大学は、原則的にカナダ国籍の学生の入学を優先するという考え方が伝統的に守られてきました。カナダ人の生徒は、公立大学進学の場合は、 その大学の定める高校での成績があれば誰でもが進学できる制度が取られてきました。自国学生優先という事情から、海外からの留学生の数は限定されていました。 しかし現在、新たな外国からの移民や、自国民のベビーブームによる進学者数増加に支えられた大学進学状況が一段落して、さらに近年の大学教育制度の改革で、 大学運営の制度が見直され、ほとんどの大学がフルフィー制度(学費有料化)のもとで外国人学生を積極的に受け入れるようになってきました。 今後カナダの大学は、学生のレベルを維持しながらアメリカやイギリス大学のようにフレキシブルに海外からの生徒を受け入れる傾向が続くものと予想されます。 教育の国際化に伴い、カナダの大学も優れた生徒に対して受入れの幅を広げようとしています。優秀な成績で大学を卒業した外国人生徒で希望する者には、 カナダ移住の居住労働権を与える制度も確立されました。

カナダ大学留学の成功の秘訣

カナダの大学の入学基準となるTOEFLスコアーは、少なくとも最低でIBT90点以上、通常IBT100点が要求されます。工学、理学、医学系選考の場合は、 これらの学問が理論学習に重ねて研究を中心とする学科であるために、一般教科履修コースでの大学出願以上に高いTOEFLスコアーが要求されます。 特に、ライティング能力が重視されIBTで30点満点中26点以上のコアを提出する必要があります。このレベルの英語力がない学生は、 カナダの大学に入学して現地の学生と肩を並べて学ぶことは難しいとされています。

カナダ大学の授業や学期

学費は、州や地域により大きく違っていますが、一般的に年間で学部留学 C$28,000~C$39,000位に推移します。しかし、 州の財政事情による教育予算削減が予想されるために、より高額になると考えられます。アメリカやイギリスに比較すると経済的な予算なので、 海外からカナダに留学する学生は増加することが予想されています。

公立カレッジについて

公立カレッジは、4年制大学と異なり、教養教育、産業教育、大学編入教育を担うために各都市に開学されています。例えばバンクーバーではダグラスカレッジ、 キャピラノカレッジ、ウェストミンスターカレッジなどが代表的な公立カレッジとして知られています。教養課程は2年制で、 4年制大学の3年生へ編入するコースとして、履修カリキュラムは4年制大学の1、2学年と同様の科目を中心として組まれています。産業課程では、 大学卒業後、すぐに社会に出て就職する学生のための技能教育を行っています。これらの公立カレッジは、カナダ各州の生涯教育のー端を担っているために 4年制大学に比べて生徒の年令層が広いのが特徴です。学費は4年生大学に比べて安価なのだ魅力です。日本の高校卒業者には留学先として選択肢の一つになるでしょう。

カナダ大学留学のポイント

カナダの大学に進むためには、まず語学カを含む各学料の総合的な高い学力が必要です。カナダの大学で、目標とする学問を学びたいという本人の強い意志と、 留学のために必要な経済的背景が必要です。寮費を含める年間の費用は日本の私立大学よりは高額になりますが、有意義な教育機会といえるでしょう。