英国の大学は、長い歴史を誇る大学が多く、開学900年に迫るオックスフォード大学をはじめ、ケンブリッジ大学など、世界に知れ渡った 大学が多数あります。大学が開設された当初は、学者、政治家、法律家養成や、貴族の子女教育を目的としていましたが、教育の伝統の中で、 ジョン・ロックや、シドニー・ウエブなど学問多分野に渡る著名な学者を今日まで生み出してきました。 社会人文系の学問分野では、群を抜いた教育実績があるイギリスの大学には、世界中から学生が留学しています。 近年はアジアからも多くの学生がイギリスで学んでいますが、特に大学院に留学する生徒が多いことは特筆すべき事と言えます。 イギリスの教育制度は、日本とは異なる学年制とシステムが取られていますが、充実した就学を期待できることから、今後も留学生は増加するものと予想されます。
イギリス大学教育
英国の大学数は現在106校。そのほとんどが国立大学(数十年前まで王立と称されたものが現在は国立あるいは国の独立教育法人)です。 米国に比較すると大学の数は少数ですが、伝統に基づいた質の高い教育を提供していることに定評があります。旧前は、この国のエリート学生 のみが大学へ進学するというGCSE-Aレベル基準の教育状況下で、海外から英国大学への留学は困難とされていました。 近年は英国政府による「大学の国際競争力強化」の提唱の元で、多くの大学がファンデーション・コースと呼ばれる基礎科を設立して、 優秀な学生を外国からも受け入れるようになりました。大学教育の制度に800年以上の歴史を誇る英国ですばらしい大学教育を満喫して下さい。
イギリスの大学
以前は日本の高校卒業者や大学卒業者にとって英国大学への留学は、教育制度の違いによるGCSE 「A」レベル受験の要求により困でした。 しかしIELTSテストの受験機会の広がりで、現在では多くの大学がこの試験制度を利用して留学生を受け入れるようになりました。 ファンデーションコースの開設も英国内の大学に広がり、GCESの受験免除で大学の本科へ入学ができるようになりました。 この結果、大学基礎科入学を許可された学生は本科生と同様に登録され、基礎科1年、プラス本科3年(専攻により本科4年) の卒業までの課程として留学をスタートできます。基礎科ではIELTS6.5~7.0と、英文ライティングを中心の教養課程教育が行われます。 大学のスタディ・プラン作成や、専攻コースの聴講参加もできるため充実した教育が提供されます。
イギリス人の大学進学
イギリスでは歴史的な背景から、大学進学は最高レベルの教育機会とされています。 日本の中学校レベルからGCEと呼ばれる大学進学の初級国家試験が始まり、高校生学年のForm6でGCSE 「A」レベルの受験が科されます。 このテスト内容は難しく、国際バカロレア試験以上の難関とされます。イギリス人の良家子女は私立高校や、ボーデイングスクールと呼ばれる 全寮制高等学校へ進み、この試験チャレンジします。大学出願は、英国大学出願機構の窓口で一本化とされるため、GCSEの成績によって 必ず希望の大学へ合格する訳ではない現実が日本の大学受験制度とは異なっています。こういう教育背景から、大学はエリートの進路と されているのが現状です。海外からの留学生は、状況に応じてUCASに出願するか、各大学のファウンデーションコースに出願することができます。
ファンデーションコースでの学習内容
英国の大学では発表・討論中心のゼミ形式で授業が進められるために、ファンデーションコースではこれに対応できる能力を培う授業を行っています。 授業時間は基本的に週18~26時間で、レベルに応じて週2~7時間の補習が組まれます。IELTS授業と並行して、英国の歴史・文化・社会学を学ぶ 科目も組まれています。さらに大学での学習方法を学ぶスタディ・スキル講座も開講されています。日本の教育方法と違う学習ギャップを このコースで埋めることができます。英語(カルチャースタディ含む)70%、スタデイ・スキル20%、学科履修補助カリキュラム10%の割合が スタンダードなカリキュラムで、将来の専攻に応じた学科の基礎学習もあります。このコースは9月にスタートし、翌年6月末で終了しますが、 充分な英語力を有する留学生は2月開始も可能な場合があります。各大学のファンデーションコースによって受入条件や学期編成が異なります。
イギリス大学の授業や学期
イギリスの大学学期は、通年学期制で9月と1月(2月)を開始日としてセメスターが編成されています。
9月開始日から1月までを1学期(前期)、このあとブレイクををはさんで
2月~6月までの2学期(後期)と続きます。基本的にはこの2学期制(前後期セメスター制)を取っています。
6月に後期が終わると次の年度まで夏休みに入ります。学士課程の卒業履修期間は、専攻学科によって異なりますが、
文系では3年間です。日本の大学ような一般教育期間が設けられてないので、1年目から専門的な知識を学ぶ専修型教育となっています。
学部によっては、2学期(1月)からの入学も受け付けています。夏休みはサマーコースという短期コースが併設されている大学があり、
成績未満の生徒はこのコースに参加します。最近はアーカイブ利用の講義受講も増えています。その場合は、講義受講データ記録と
授業のテーマについて小論文を提出して単位を取得することが可能です。このネット型教育システムの普及によって、
世界中の多くの人々に大学の学習機会を与えて、同時に大学側も授業料を得られるメリットを享受することができるようになりました。
イギリスの大学は「ディスタンス・ラーニング」にも注力しています。
イギリス大学は学年修了資格を授与
イギリスの教育は、レベルでいうとFE(Further Education)と、HE(Higher Education)に分けられます。
FEレベルは、Aレベル(日本の高校+大学一般教科レベル)、AVCE(実務教育課程/日本でいう高専)コースを示します。
これは、この文字の意味通り、義務教育後の継続学習(16才で修了するOレベル)コースです。HEは、総合大学やカレッジでの教育を示します。
HEコースは修了した学年やコースに資格が伴い、大学1年で1年修了書/HE Certificate、2年修了書/HE Diploma、
3年修了でBA/BSc(First Honours-Upper Second-Two One-Lower Classes)となります。他には HND Diploma という職業型資格もあります。
大学院は修士課程が1年コース(Taught Course Degree)と、2年コース(Reserch Course Degree)学位があります。 イギリスは1年間で修士号を取得できることが特徴で、そのために海外からの多くの大学院留学生がPost Graduate Courseで学んでいます。
イギリス大学留学のポイント
イギリス留学には英語力が最重要です。IELTS6.5~7.0スコアを獲得する必要があります。同時にこのテストで安定した作文能力とスピーキング評価を 得ることが求められます。さらに総合的な基礎学力を有することが大学・大学院留学の成功の鍵になります。 卒業への意欲と強い意志のもとで出願して下さい。留学費用は、学費、滞在費を含める年間の費用は日本の大学に比較して高いものになります。 特にロンドンの大学留学は居住費や交通費が高いのが難点です。イギリスのTier-4ビザ申請には大学が発行する留学適合証明が必要です。